短編集
一瞬考えた……。
先輩は、私といる時間が幸せで、その幸せをこれからも与えてくれ……って……。
「先輩、それって、『絵』のこと……ですよね?」
だって、そんなの、信じられない。
もし、私の解釈が正しかったら、本当は絵じゃなくて、もっと特別な想い……と言うことになる。
私たちの未来を、先輩は望んでいる。
「絵じゃない」
「それじゃ……」
「未妃ちゃん、俺は君が好きだよ」
やっぱり、先輩からの、告白……。
「未妃ちゃんは俺のこと、どう思ってるの?」
その質問は、亜綱先輩から聞かれたものと同じだった。
二人の言葉がかぶる。
堂々としていた先輩、かっこよかった……。
素直になっていいんだ。
今の気持ちを、そのまま先輩に伝えよう。