短編集


きっかけは、もともとかっこいいとは思っていたらしいが(え、ちゃんと思ってたんだ?)、ある日、ドジっ子詩織が転びそうになったところの近くにちょうど新谷くんがいたらしく、助けてもらったとのこと。


……本当にどこまでも王子様キャラだなぁ……。


「……近くで見たら本当にかっこよくて……、優しくて、王子様……みたいっ!!」


顔を真っ赤にして話してくれる詩織は、いつにも増して可愛い。


「初恋ですか?」

「……きっとそう……」


そういいながら、胸の前で両手をギュッと握りしめる詩織は、やっぱり可愛かった。

そういうことなら少し協力してやるかな?


話しあった結果、何も知らないんじゃなんだから、まずは友達から始めてみようという結果になり、即実行体制に入った。


HRが終わってすぐに、詩織と、新谷くんの席に向かった。


「新谷くん」


新谷くんに呼びかけると、ゆっくりとこちらに振り向いてくれた。


「どうしたの?……あれ?」

「あ、あの、さっきはありがと……ございました……」
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