短編集


殺気を感じた。


自転車を止めようとしても、体が言うことをきかない。


『乗っ取られてる!?』


声は耳元で囁く。


『借りまーす かりまーす……』





『刈ります』





大きなカマが、前方から足を目掛けて突撃してくる。

自転車も止まらない。


カマが足をすり抜けた瞬間、耳元で聴こえた。


『この足、刈りました』





その瞬間、自転車はようやく止まり、意識を失った祐斗は、自転車と共に倒れた。
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