短編集
あぁぁぁ詩織、だんだん声が小さくなってるよ!
「あぁ、やっぱり転びそうになってた子か」
どうやら気付いてくれた新谷くん。
しっかりと詩織のこと、覚えててくれてたんだ。
「あの、新谷くんにお願い……ってほどでもないんだけど、私たちと友達になってくれないかな〜って」
まずは、基本中の基本。
お友達から作戦。
「いいよ?」
新谷くんはそうほほ笑んで、あっさり了承してくれた。
それと同時に詩織がサッと私の後ろに隠れた。
く~~!!かわゆいやつめ!!
「ありがとう」
「ありがと……ぅ……」
そのまま詩織は逃げて行ってしまった。
照れくさいのかな?
詩織にとっても初めてな経験だもんね。