短編集
lovely lip
「キス魔」
寝起きの彼女にそう言われた。
「……そうかな?」
「絶対そうだって」
俺も寝起きであまり働かない悩ミソをフルに働かせて考える。
あぁ、朝日が眩しい。
特にごまかす気も起きなかった俺は、仕方なく思っていた事をそのまま言う。
「朝起きて目の前にお前がいるなら食べたくもなる」
「よくわからない理屈を吐くな」
照れ隠しか、彼女は怒る。
「付き合ったその日から、会うたび隙あらばキスばっかりして来て、絶対キス魔だ」
そこまで言われるほど、キスばかりしてるだろうか?
仕方ないだろ?
君の唇に目を奪われる。
俺を誘っている。
自然と体が動いて、気付けばキスをしている。