短編集


真っ赤な彼女は言う。


「く、唇フェチ!」

「まぁ、そうなるかな」


信じられないとか何とかブツブツ言う彼女に、俺は訊ねる。


「キスは嫌い?」


少し、意地悪な言い方で、彼女の心を刺激する。


「き、嫌いじゃないけど……」


素直になれない彼女は、その先を言うのを躊躇う。

そんな所も可愛いと、再びキスの態勢に持っていこうと思っていると。





彼女は俺に抱き付いて、下から俺の唇を奪った。
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