短編集


今は誰も見たくない。

誰とも話したくない。


このまま、顔も見たくないまま離れたら、楽だったかな?

でも、それはそれで嫌だ。


ぐるぐる、ぐるぐる、思考が渦巻いて止まらない。


そのままの体勢で、わたしは眠りについてしまった。





ずいぶんと寝ていた気がする。

気付けば夜中の3時だった。


あぁ、夕飯食べてない。

泉たちはもう帰ったかな。


鍵をあけて、扉を開く。

静かな家、今日は両親とも仕事で帰ってこないから、この家は私一人。


階段を下りてリビングへ向かうと、明りがついていた。

つけっぱなし?

そんなことあるわけない、でも、それならなぜ……?


もしかして。



< 95 / 115 >

この作品をシェア

pagetop