短編集
今は誰も見たくない。
誰とも話したくない。
このまま、顔も見たくないまま離れたら、楽だったかな?
でも、それはそれで嫌だ。
ぐるぐる、ぐるぐる、思考が渦巻いて止まらない。
そのままの体勢で、わたしは眠りについてしまった。
ずいぶんと寝ていた気がする。
気付けば夜中の3時だった。
あぁ、夕飯食べてない。
泉たちはもう帰ったかな。
鍵をあけて、扉を開く。
静かな家、今日は両親とも仕事で帰ってこないから、この家は私一人。
階段を下りてリビングへ向かうと、明りがついていた。
つけっぱなし?
そんなことあるわけない、でも、それならなぜ……?
もしかして。