運命に導かれて 番外編
雲ひとつない青空が広がる昼下がり。
羽衣はアリーと中庭で少し早いティータイムを楽しんでいた。
本来であれば、メイドが仕える主とお茶をするなど言語道断なのだが、なにより羽衣がそれを強く望んでいるし、ルカも羽衣の希望であればと容認している。
「あっ。」
小さい声をあげた羽衣は駆け出した。
前にも見たその光景は今ではそう珍しくもないものだった。
「またですか?」
「ダメですか?」
ジャンは羽衣が確信犯に思えて仕方がない。
勿論立場上逆らえないということもあるが、立場をなくして考えたところで、羽衣という1人の女性に逆らうことなど到底無理な話なのだ。
「全く……。ですが……
「邪魔はしないように。ですよね?」