運命に導かれて 番外編
第2章


「信じられないっ。ルカのバカ。最低。」




朝食にやってきた羽衣は珍しく暴言を吐いていて、相当ご立腹な様子だ。



「アリー。申し訳ないけど朝食は部屋で食べてもいいかな?ルカの顔見たくないから。」



「羽衣様……わかりました。」



何かあったのか聞きたいが聞けるはずなどない自分の立場。



ならばアリーが今すべきことはひとつ。



ここはいつルカが来るかもわからない場所。



仕える主人は部屋に早く戻りたがっているのだからと急いでワゴンに必要なものを整える。




部屋に戻れば幾分落ち着いたように大きく息を吐き出す羽衣。



ただ部屋への侵入者は拒むべく、きっちり鍵はかけられていた。




アリーはそんな羽衣の様子を視界の端にとらえながらワゴンからテーブルに朝食を並べていく。



「羽衣様。朝食の準備が整いましたよ。」




まだ怒りがおさまらない羽衣は、テーブルについても眉間に深い皺を残していてその勢いのままフォークを握り締める。



そして何かを思い出したように、突然動きを止めた。


それまで纏っていた怒りのオーラと共に………




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