運命に導かれて 番外編


「……あの……お言葉ですが、羽衣様はダイエットの必要はないかと…。十分痩せていらっしゃいますし。」




寧ろもっと太ってもいいくらいだ。



元々痩せていただろうに、この世界に来て更に痩せてしまい、今は少しずつ戻ってきている段階なのだ。




「アリー。あたしを甘やかしたらダメだよ。痩せて綺麗になって見返してやるんだから。」




羽衣の意気込みは半端ではない。





「見返す…とは?」




この城に羽衣に痩せろ等と言う人物はいるはずなく、アリーは首を傾げる。





「ルカよ。本当に最低。あたしのこと丸くなったって笑っていったのよ。しかも頬っぺたとお腹の肉までつまんで!!」




羽衣はまた眉を吊り上げ、プンプンといった効果音を身にまとっているようだ。




アリーはこの怒りと、ダイエット宣言が繋がり、漸く納得した表情になる。




同時にルカは決して羽衣に太っているから痩せろという意味で言ったのではないということ、寧ろ喜んで言ったのだということが容易に想像できたが、乙女心の難しさゆえに逆手にとられてしまった現状に頭を悩ませた。






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