声にならない言葉
安心
横で眠っている美羽の頭を優しく撫でながら

『今夜はありがとうなっ…ゆっくり休めよ…』

謙二はそっとベッドから起き上がり、身支度を整え

美羽が起きた時寂しくならない様に

走り書きのメモをテーブルの上に置き部屋を出た。



朝、美羽が目を覚ました…
『あっ!寝ちゃった…いつ帰ったんだろぅ…』


慌てて起きると、テーブルの上のメモ…


…またなっ!
おやすみ…


謙二らしいメモ。
昨夜の嬉しさが込み上げて来る…



夕方からのアルバイト

美羽は
(どんな顔して会えばいいんだろぅ…)

突然、

『お疲れさん!』
田中が声を掛けてきた。

びっくりしている美羽を見て

『何、驚いてんの(笑)。今夜、またみんなで飲みに行くからねっ!』

『はぁ…』

『美羽ちゃん、いっぱい友達呼んでねぇ~』

後ろから謙二が、
『お疲れ。…ばか!何、言ってんだ!行くぞ!』

『今夜、逃げちゃダメだよぉ~』

相変わらず軽いノリの田中に今日は救われた。


仕事が終わると、久しぶりに前のメンバーで飲みに行った。

『悪いなっ…田中奴、どうやら彼女に振られたらしい。』

『そぅだったんだぁ…』

『あっ!昨夜はご馳走様。ちゃんと言って無かったから…』

『うん。』

『美羽ちゃ~ん☆』
酔った田中が美羽に絡み始めた。

『飲み過ぎですよっ!』
美羽が困りながら田中に注意する。
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