声にならない言葉
不安
夏が過ぎ秋…そして冬へ移り変わろうとしていた。


美羽はどんな時でも、謙二の邪魔だけはしたくなかった。

家庭も全く壊すつもりも無かった。

誰にも謙二と付き合ってる事はいわなかった。

顔が見れて、何でも無い話でも謙二としてるだけで幸せだった。


ただ…

美羽は、
(今月も遅れてる…)

先月は無かった。
心配になって薬局へ行く。
(やっぱり…)

病院へ行き…
『独身ですよね…?』

『相手の方と良く相談して…もし、下ろすなら5ヶ月になる前にね…』

美羽の顔を見て先生が淡々と話す。

静かにうなずいて、美羽は病院を後にした。



どの程の時間が過ぎたのだろう。

気づいた時、美羽は公園のベンチにいた。


…どうすればいいの?
相談なんて出来ないよ…

…産みたい
謙…きっと困るよね…

謙の子供だから産みたい…
わがまま言えばきっと謙、苦しめちゃうよね…


見えない力に、押し潰されそうだった。


…あっ!アルバイト…
今日は休もう…どんな顔したらいいのかわかんないよ…


真夜中に携帯が鳴っていたが、美羽は出なかった…出れなかった。

ごめんね…謙…
心配かけて…ごめんね…
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