死刑囚と犬
男は天井を見やった。


「俺も子供のころ

いっつも部屋の隅で震えてたっけ」



男は子犬を放しベッドに座って
頬杖をついた。



そして男の心は
自分の少年時代へと飛んでいく。



男は記憶の断片を
拾い集めながら


独り言を壁に向かって
喋り始めた。

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