摩天楼Devil
「じゃあ、一週間後に彼は越してくるから。
友人の息子だし、俺は何度も会ってて好青年だけど……まぁ、何かあれば相談してくれ」


それから、叔父は付け足した。


「これはお父さんの方の名刺だ。通信販売の会社を経営してる。大方、息子さんもその仕事を手伝うんだろう」


「そっか、分かった」


名刺には、藤堂雅彦
と名前と連絡先が書かれている。


「ええ!?センチュリーMarket?」


それは現在、業界トップの会社名ではないか。


――ふふ。光よ、光が見えてきたわ……



私は一週間後と、ワンピを手に入れる日を夢見て、わくわくしていた。
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