摩天楼Devil
「日本人の娘に対して、英語で良い成績を求めるなんておかしいよ。

数学だってさ、サイン?コサイン?法則とかさ、人生で必要ないじゃん。

日本史って、なんであんなに覚えることあるの?そんなに記憶力ないもん」


グチグチと文句を言ってると、隣の大学生は、特に答えず、


「さて、何を教えるか」


と、眉間を押さえてた。


私のレベルを感じ取り、すでにお手上げなのかも。


生徒の私から、提案してみた。


「じゃ、日本史。明日、提出しなきゃいけないプリントがあるんです」


困ってる様子だったから、自分で提案したのに、篤志さんはますます、眉間に皺を寄せる。


「それは、覚えればいい話だろう。プリントにしても、調べて問題を埋めて、自分で記憶すればいいことだ」

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