摩天楼Devil
「じゃあなんで、日本史に担当教師がいるんですか?教える人が必要だからでしょ?」


思ったままを、彼に伝えた。


すると、彼は「たく、妃奈は……」と呟く。


――やば、怒られる?


「ホント、面白いな」


てっきり怒ると思ったが、呆れた様子もなく、笑顔だった。


「おかしくないですぅ。正論ですっ」


「じゃあ、俺も正論。日本史は過去を研究した人がいて、その記録から教科書ができてるだろ。

調べてきた人達は、歴史を知って、覚える。

妃奈は一から歴史を発掘するんじゃない。その人達が調査、研究してくれたことを覚えるだけだ。簡単だろ?」


納得できるような、できないような。


まぁ、確かに、研究者やどこかの教授じゃないんだし、テストに出されるであろう、事柄を記憶するだけなんだけど、さ。

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