摩天楼Devil
私はプリントを眺めた。


カッコや空白を埋める問題、いわゆる虫食い問題から、指定の言葉を必ず使って、提示の出来事を説明せよ、っていう問い。


選択問題に、年表。


見るだけで、やる気を無くす。


「ふぅ、やっぱり英語にします?」


と、飽きたといった感じで言った。


「妃奈。課題だろ?ちゃんとやるんだ。そうだ、やる気が出るように、こんなのはどうだ?」


篤志さんは明らかに、何かを思いついたような顔した。


「1問につき、正解したら、50円マイナス、不正解ならキスだ」


「わぁ、本当ですかぁ……って、50円!?たったの?しかも、不正解はキス!?なんで!?」


気がつけば、立ち上がって怒鳴ってた。


彼は髪をかきあげ、静かに答える。

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