摩天楼Devil

謎と本音

~パシリ 5日目~


「えっと、10万引く……まずは500円……」


朝礼の前に計算してると、声をかけられた。

最近、一緒に弁当を食べてくれる子、ミヤちちゃん。


「ねぇ、まだ仲直りしないの?いい加減、謝っといで」


私は、通称『ドレス代返済記録ノート』を、引き出しに突っ込んだ。


「だって、声かけるタイミング分かんないんだもん。
おはよう、って言って無視されたら怖いし、帰りも無視されたら?って考えたら、不安だし……」


真悠子には何度も勇気だして、話しかけようと思うのに、

今日こそ、明日こそ、次こそは……とだらだら1日を終えてしまってた。


「はぁ、似た者同士ねぇ」


ミヤちゃんは、やれやれと言ってから、親友のことを教えてくれた。


「まったく同じこと言ってたわよ。あと、あの子、よく分かんないこと心配してたわよ」

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