摩天楼Devil
――昼休み。屋上


私は篤志さんは悪い人じゃないから会ってほしい、と伝えた。


そこで、思いもよらないことを言われた。


「はぁ、あれだけ騙された、遊ばれるって注意したのに……ま、まだ自覚ないみたいだけどねぇ」


ママの玉子焼きを飲み込んだあと、彼女はペットボトルお茶を開ける。


「自覚って?」


お茶を一服、真悠子はこちらを向いた。


「惹かれてるんでしょ?篤志さんに」


私は烏龍茶だった。


ぶぶっ、と吹き出しかけて、というかちょっと漏れてハンカチで口を押さえた。


「んもぉ、汚いなぁ」


「真悠子が変なこと言うから!惚れてないって否定したじゃん!
それにまだ、出会って間もないのに、そんな早く恋するわけないじゃん!」


「若い男と女なんて、どう転がっていくか分かんないもんよ」


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