摩天楼Devil
やっぱり、何かあっただろ? と彼は問う。
「……」
私はただ黙って、恥ずかしさに耐える。
「おいで……せがむなら、ちゃんと顔見てお願いして」
ふいに肩を抱き寄せられる。
ただ、それ以上のことはしてこなかった。
自分から“ちゃんとお願い”してくるのを、待っているらしい。
私はできずに、床に視線を逃がしてた。
くす、と軽い笑い声がし、「冗談だよ」と彼は言った。
篤志さんは立ち上がり、机の前に移動した。
今日はコンタクトを入れてなかったらしく、メガネをかける。
そして、分厚い本を開いた。
その背を見ると、やけに寂しくなった。
「キスして……」
背中に頼む。
本人は驚いた顔で振り返った。
私は合った視線をそらさなかった。
彼はメガネを外した。
裸眼の視力はどのくらいか知らない。
でも、私のことは見えてるはず。
真剣な面持ちの男性が、隣に戻る。
「……」
私はただ黙って、恥ずかしさに耐える。
「おいで……せがむなら、ちゃんと顔見てお願いして」
ふいに肩を抱き寄せられる。
ただ、それ以上のことはしてこなかった。
自分から“ちゃんとお願い”してくるのを、待っているらしい。
私はできずに、床に視線を逃がしてた。
くす、と軽い笑い声がし、「冗談だよ」と彼は言った。
篤志さんは立ち上がり、机の前に移動した。
今日はコンタクトを入れてなかったらしく、メガネをかける。
そして、分厚い本を開いた。
その背を見ると、やけに寂しくなった。
「キスして……」
背中に頼む。
本人は驚いた顔で振り返った。
私は合った視線をそらさなかった。
彼はメガネを外した。
裸眼の視力はどのくらいか知らない。
でも、私のことは見えてるはず。
真剣な面持ちの男性が、隣に戻る。