摩天楼Devil
「あ、ああ、よろしく。め、姪のこと頼むよ……本当に……」


一方、叔父さんは魅入るどころか、相変わらず様子が変。


叔父さんはママとの約束を忘れたかのように、部屋を出てしまう。

私自身は緊張で、それどころじゃなかった。


「じゃ、桜田さん……っつーか、ヒナでいいよな」


――あれ?


明らかに口調が違う。


「とりあえず、ダンボールの中からコーヒーメーカーと、カップ探して、コーヒー入れてよ」


「は、はぁ……」


私はゆっくり、ダンボールの山に近づき、小さい箱から開けていく。


すると、「キャ」と悲鳴を上げてしまった。

最初に開けてしまったのは、男性物の下着が……


藤堂さんがいつの間にか背後に立つ。
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