摩天楼Devil
「痴女め。ちゃんと書いてあるだろ。ちゃんと見ろよ。ってか、何赤くなってんの?」


彼はしゃがみこんでいた私に視線の高さを合わせて、頬を撫でた。


「い、いえ……その……」


「あんたさ、見たことないわけ?」


この雰囲気は、“ヤバイ”よね。


「ちょ、ちょっと触らないでください!」


と、頬を撫で続けていた手を払い落とした。


「安心しろよ。こっちはな、興ざめしてっから」


彼は立ち上がり、私を冷たく見下ろした。


座っていたからわからなかったけど、175くらいか、長身だった。


「期待してたけど、あんたみたいな、全てがペッタンコなガキが来るとは思わなかった」


ぺ、ペッタンコ!?
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