摩天楼Devil
「あなたのせいじゃないわ。篤志君、あなたにうつしたくないって心配してるんだから。ね、帰って、あなたも休みなさい」


優しい口調に泣きたくなった。


「傍にいたいの。せめて、叔母さんのとこにいさせて」


泣き落としにかかるつもりはなかったけど、そう頼みながら、涙を流してた。


叔母さんは、同情したようなため息を吐き、

「分かった。うがいはちゃんとするのよ。お母さんには適当に理由言っておくわ」


と許可してくれた。


叔父さんは、篤志さんに言われ、渋々仕事に戻った。


友人の息子さんを預かっているという責任感から、叔母さんと看病するつもりだったらしいけど、


篤志さんからは、気にしないでほしい、と言われたみたい。


私は学校があるから、といつもの就寝時間に眠らされた。


叔母さんの寝室を借りて横になったけど、眠気なんか来ない。


真夜中、叔母さんが帰ってきて、お店のほうはいい、と叔父さんに言われたらしく、彼女も就寝した。


姪にベッドを貸した彼女は床に寝てた。
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