摩天楼Devil
篤志さんは気まずそうに顔をそらし、立ち上がる。


「帰るよ。また、な」


しかし、そうはならなかった。


真悠子はともかく、ミヤちゃんが捕まえたのだ。


「妃奈。課題とノートのコピー、ここに置いておくね」


と、真悠子が机に置く。


傍で、ミヤちゃんは篤志さんにいろいろと話しかけてた。


「えぇ~、K大なんですかぁ。素敵ぃ。合コンしてみたいなぁ……なんちゃって」



――たく、ミヤちゃんたら……


真悠子は呆れ顔でため息吐いた。


我関せず、といった状態。


もう、寝ちゃえ。と、また布団に潜ったとき、


「連絡先、交換してください!」


と、高らかな声がした。


――え?


別にたいしたことじゃない。


ミヤちゃんは合コンしたいだけ……


でも、でも――


ちょっぴり照れ顔の女の子がいて、篤志さんは苦笑で、パンツのポケットに手を持っていこうとしてた。


そこには携帯が。


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