摩天楼Devil
「ちょっと!セクハラですよ!!」


私も立ち上がり、睨みつけた。


「似合わねぇ、セリフ吐いてねぇで。コーヒーだ。ほら、キッチン用品って箱があんだろ」


藤堂さんは横手の三つのダンボールを指差す。


「バイト代いるんじゃねーの?」と言われ、渋々また探がす。


コーヒーメーカーを見つけると、一緒に入っていた説明書を見ながら、コーヒーを沸かした。


同じく発見したカップに入れて渡すと、イスに座って、ただそんな私を観察していた彼は、


「次はコンビニに行って、ミネラルウォーター買ってきて」


と、財布からお金をだす。

「帰ってきたら、掃除な」

と、付け足した。
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