摩天楼Devil
どうせなら、
こんな辛い想いするなら、
早く出よう。
作業を急いだ。
木島さんに連絡を取ると、光熱費などの解約の手続きをしてくれるという。
すべて彼に任せ、俺は“あの人”に会いに行った。
神崎不動産のビルの最上階に、社長室がある。
秘書の女性の案内で、中に通される。
神崎のおじさんは、ソファーで様々な資料を読んでた。
「今度また、マンションを建てることになった。お前に任せようかと思ったがな」
「俺はまだ、普通の大学生ですよ」
「わはは、そうだな。はしゃぎすぎてな。やっと、俺にも息子ができるんだな」
手招きをされ、向かいに座る。
「にしても早かったな。アイツも驚いてたよ。大学卒業まではあのアパートにいさせろ、って言われると思ってたくらいだ」
「いえ、早く神崎の家風に慣れたほうがいいかと思いまして」
と、自分でも笑えない冗談を言った。
「ほう。感心なことだな。さすが、唯一の跡取りとなる息子だ」
こんな辛い想いするなら、
早く出よう。
作業を急いだ。
木島さんに連絡を取ると、光熱費などの解約の手続きをしてくれるという。
すべて彼に任せ、俺は“あの人”に会いに行った。
神崎不動産のビルの最上階に、社長室がある。
秘書の女性の案内で、中に通される。
神崎のおじさんは、ソファーで様々な資料を読んでた。
「今度また、マンションを建てることになった。お前に任せようかと思ったがな」
「俺はまだ、普通の大学生ですよ」
「わはは、そうだな。はしゃぎすぎてな。やっと、俺にも息子ができるんだな」
手招きをされ、向かいに座る。
「にしても早かったな。アイツも驚いてたよ。大学卒業まではあのアパートにいさせろ、って言われると思ってたくらいだ」
「いえ、早く神崎の家風に慣れたほうがいいかと思いまして」
と、自分でも笑えない冗談を言った。
「ほう。感心なことだな。さすが、唯一の跡取りとなる息子だ」