摩天楼Devil
「笑っちゃうぜ」


何がなんでも逃がさない、ってか。


それまでは、神崎不動産のこと、神崎家、父となる社長本人などについて、知識を与えられる。


俺はそれらを覚えていかなければならない。

そして、跡取りにふさわしい、言動をしていかなければならない。


「ああ、自由から、一気に拘束状態ってか。ま、いいや。どうせ、分かってたことさ」


もういいんだ……


よかったな、兄ちゃん。


かたちはどうあれ、あんたは自由。


俺は――……



「ヒナ……」


ドレス見たかったな。


正直、ワンピースは妃奈自身が欲しがっていたものだが、

あのドレスは、俺が選んだ。


デザイナーは、他にも紹介してくれたが、俺はあれが、彼女に似合うと思った。


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