摩天楼Devil
「ごめんなさい……」


彼は無言で、私をソファーに座らせた。


左側には、朝食が並んだテーブルセットがあるのに。


「?」


首を傾げてると、シュル、とバスローブの紐が解かれる。


「へ? ち、ちょっと待って……!私、まだ――」


痛むのに、と思ってたら、彼は優しく微笑む。


「何もしない」と言いながら、前を開ける。


下着は洗濯中で、ない。


「や、やだってば!」


そうこうしてるうちに、彼は胸元からお腹にかけて、いくつかピンクの痣をつけた。


「キスマーク……見られたらどうするの?」


「いいさ。俺のもんっていう証拠」


もうっ、と怒ってるのに、篤志は余裕の笑み。


「にしても、可愛い。唇当てる度に、反応するんだもんな」


「あ、篤志のバカ!」


私も言ってることとやってることがあべこべで、彼の胸に飛び込んだ。


「ねぇ……ずっと、一緒?」


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