摩天楼Devil
「奥様。お嬢様をお借りするお礼と言ってはなんですが……彼女の勉強にも付き合いたいと思うのです」


彼は、頼みをした私を飛び越え、ママを見ている。


――はぁ!?


「え、家庭教師ってことかしら?」


彼女は目を輝かせる。


「そうですね。こちらに来させていただいてもいいんですが、彼女がウチに来てくれた時でもいいですし……」


「それなら、塾みたいね」


「ええ。もちろん、お金なんかはいりません」


ママはますます、感嘆の声を上げる。


「まぁ!なんてありがたいのぉ」


赤点娘に、有名大学の学生が、家庭教師? 講師? になってくれるというのが、魅力的らしい。


堪忍袋というものが、元々あったかは知らないけど――!
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