摩天楼Devil
焼き豚を貰い、私達は部屋に戻る。


言われた通りに、お風呂を沸かすため、まずは掃除をする。


藤堂さんは机に向かっていた。


――あ、静かにしないとね。


浴室は、玄関から洋間までの短い廊下の途中にあるから、音を立てたら、すぐに届いてしまうだろう。


湯船を洗い、外の壁に設置された、ガスの湯沸かし機のボタンを押した。


それから、今度は料理。


時計を見たら、五時。

ちょっと早いかなぁ?
と考え、藤堂さんに何時頃がいいのか聞こうと、洋間に行った。


コンコン、と半開き状態だったドアをノックし、顔を覗くと、机に突っ伏している男性の姿があった。


あれ? と近付くと、寝息を立てていた。
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