摩天楼Devil
「駄目よ」


ママは背中にまわした娘の腕を外す。


「まだ、何も言ってない!」


「自分で働いて買うのね。もしくは、80点以上、今回赤点だった科目で取ることができたら、考えます」


70点でも無理なのに?


「ママ、綺麗だからぁ」


「はいはい、分かってます」


彼女は適当に流し、部屋を出ていった。


ちぇ、駄目かぁ。

やっぱり、バイト。


でも、何したらいいか分かんない。


「あ、そうだ。妃奈、叔父さんが相談があるって言ってたわよ」


叔父さんは焼き鳥屋を経営してた。


そっか、叔父さんに頼めば……!


「言っておくけど、お酒扱うようなお店で、しかも9時以降に、16歳をそんなとこで働かせられるかッ」


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