摩天楼Devil
藤堂さんはまだ笑う。


「も、もう!100円を笑うものは、でしょ!本当は1円に使うことわざでしょ?水道代って、1滴でも大きいのよ!」


わけの分かんないことで、反論した。


ますます、藤堂さんは腹を抱える。


しまいには、しゃがんで、笑い声を抑える。


「どうせ、おばさんくさいわよッ。だからって、そんな笑わなくても……」


「い、いや。意外だったなぁ、って。ワンピースにお金使おうか、って高校生のセリフとは思えなくてさ」


彼は立ち上がる。


「あの、ワンピースのことはなんで?」


「内緒」


「じゃあ、どうして、こんな小さなアパートに越してきたの?どうせ、実家の方が広いでしょ?」


質もいいだろうし……。
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