摩天楼Devil
「篤志でいい、と言っている」


「そ、そんな失礼なことできませんよ」


何と言っても、センチュリーMarketの社長の、息子さんなんだから。


「そうか、できないか……」


――へぇ?


彼は目を伏せ、寂しそうに呟いた――



ってのは、幻覚だった(のかもしれない)。


「女子高生の舌。マニアが飛び付くかなぁ?」


彼はまた脅しにかかる。


「あ、あつし……さん!さん付けはいいでしょ!?篤志さんって呼ばせていただきます!」


「ま、いいだろう。覗くなよ」


覗きません! と怒鳴る私を尻目に、彼は浴室に入った。


3つしか違わないって。


どこが、って感じ。


外見も言動も、やたら老けて見えるよ。
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