摩天楼Devil
しかも、

「ごめん。次は一緒に食べよう」


とまで言ってきた。


「あ、いえ。そんな……」


って、また作れ、ってことかしら。


だよね。


どうせ私は、パシリなんだから――


「いいです。湯冷めしたらいけないし、送らなくていいです」


なんだろ。急に苛立つ。


「何を怒ってる?いいから、行くぞ」


結局、料理にラップをし、二人でアパートを出ることになった。


帰り道の途中――


「妃奈。明日は、夕方に来て」

と、命じられた。


「……嫌です……」


苛立ちが続けていたから、そう答えた。


「さっきから、何を怒ってる?」


「怒ってなんか……」


「まぁ、いい。君は従うしかないんだからな」


彼は抑揚なく言った。
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