摩天楼Devil
安堵しながら、中に入る。


「チャーハンおいしかった。ありがとう」


「そうですか。よかった」


「それでね。見せたいものがあるんだ」


私達は一旦、洋間の前で立ち止まった。


それでね、って……


なんか、お返し?


ちょっぴりワクワク。
わずかに緊張。


「おいで」と、肩を抱かれ、洋間に入る。


床に敷かれた、絨毯の上に座って、待ってるよう言われ、従った。

背後でクローゼットを開ける音がした。


――何だろ?


「妃奈。これ何だ?」


「はぁ」と言いながら、彼のいる背後を、振り返ってみると、


「え!」


私は固まった。




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