摩天楼Devil
そんな中、


「そうだ。ちょっと、合わせてみたら、そこに全身鏡あるから」


ハンガーを持ち、まずワンピースを渡してきた。


私はおずおず、横手の鏡の前に立ち、ワンピースを体に重ねるように置く。


試着したことないし、ただ当ててるだけだけど、ちゃんと着たい、と思った。


そして、次は限定物のイブニングドレス。


ふあり、と舞う裾はまさに天使。


ワンピの時より、さらに恐る恐る受け取る。

ドキドキしながら、体に合わせた。


隠れきれない、制服が憎い。


それでも、ドレスの魅力は伝わってくる。


「……綺麗だよ。着たら、もっと似合うんだろうね」


篤志さんが背後に立ち、お褒めの言葉をくれる。
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