摩天楼Devil
彼は今までないくらい、怪しく、怖く笑いかけてきた。


その瞬間、天使に殴られた気分に陥る。


――私のバカ……


撤回しようかなぁ、なんて思っていたら、篤志さんが許すはずもなく……。


「今言ったこと。本気だよねぇ?」


「え、ええ……た、たぶん……」


「よかったぁ。やっぱりやめる、なんて言ったら、

目の前でワンピもドレスも破って、キャンパスには、妃奈の例の写メを流すとこだった」


――本当の悪魔は目の前にいた……


「あ、そうだ。君のお母さんとの約束守らなきゃ」


「ママとの約束?」


「挨拶しに行った日のこと、忘れた?」


あの日からすでに、色々あったので、ちょっと忘れかけてた。

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