摩天楼Devil
「こん……コンタクト……にしてもらえません?」


「はい?」


こんなことを不意打ちで頼めば、当然そんな反応よね。


「いや、あの……た、大変申し上げにくいんですが……メガネしてないときの方が優しそうってか、メガネしてると、怖いです」


「な、何言ってんの?」


――まったくだ。私は何を言ってしまったんだ。


「いや、似合ってるんですけど、その勉強を教わるあたり、優しく見える方がいいかなぁ、なんて……」


「ますます意味分からないんだけど……」


篤志さんは腕を組む。


怒らせたくないので、すぐに、何でもないです、と返答した。


授業は明日から、ということになった。


「今日もご飯作りますか?」


「いや、今日は君の叔母さんが食事に誘ってくれたんだ」

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