恋の気持ち発生中
私たちは女子トイレにつくとさっきの話の続きをした
「で、岡本とは仲良くしてんの~?」
「してるよ~♪」
「幸せそうでいいですねー(笑)」
「何言ってんのよ、桃華だって素敵な人がいるじゃん!」
「は? そんな奴いたっけ?」
「もう、またまたとぼけちゃってぇ! いるじゃんクラスに」
「え~? 居たっけ?」
「はぁ、愛しの彼を忘れちゃうなんて……。そりゃぁ、川崎 宏でしょー」
川崎 宏(カワサキ ヒロシ)というのは私の男の親友で、桃華もそこそこ仲がいい。
顔は普通にかっこいいし、女子に優しいし、気が利くし、面白いし
女子の気持ちがちゃんと分かってるし、しかも性格いいし……。
女受けがかなりいい。
と私が宏の名前を挙げた瞬間に桃華がかなり焦った様な声で言った
「はぁ?! あんたあったま可笑しいんじゃないのっ!?なんで私があんな奴を愛しの彼にしなきゃいけないのよ!!」
「えー、だって仲いいじゃん。 しかもお似合いだし」
「なんで皆してお似合いって言うの!? ったく、一回眼科行って眼が正常に働いてるか診断してもらったらいいじゃない?」
「えー、本当にお似合いだよ~♪ 何々、照れちゃってんの?」
「ちょっと、あんたいい加減にしなよ!」
桃華は立って顔を赤くしながら大声で言った
「ちょっと声大きいってば! ばれちゃうじゃない」
「へ? ……あ、ごめん」
と自分が予想以上に大声をあげていたことに気づいた桃華は
申し訳なさそうに言いながら座った
「いいけどさぁ、それにしてもえらい必死なんだねぇ?」
「なっ! べ、別に必死なんかじゃないしっ!! 綾子が変な事言うからでしょ!」
「え~? 変なことってどんなこと?」
私は本当は分かっているのに分からないふりをして聞いた
桃華はそんな私にイライラしながらいった
「な、なによ分かってるくせに。 あんたってその辺は男がしそうな事するよね」
「え、そうかな?」
「うん、あんたがもし男なら絶対にモテてたんだろうね、いまでも十分にモテてるけど。」
「えー、モテてないよー!! っていうか桃華もモテてる……」
「何回同じ事いわせるの~? 本当に殺っちまうぞ?」
と私が言い終わる前に顔は笑っているけど目は笑っていない状態で言われた
これこそ般若というものではないかと思ってしまった