∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
「女の人のこと……考えてたの?」
どうやら、他の女性の事を考えていたと思われたようだ。
いや、女性には違いないが……紀美子は……なんというか、姉貴?
のような感じだ。
女性とは、少し違うだろう……。
…………ぼくが愛おしいと思う女性は、手鞠ちゃんしかいない。
「先輩…………あの……嫌いに…………なった?」
なぜ、そうなるんだろう。
ぼくが想っている女性は手鞠ちゃんだけなのに……?
「手鞠ちゃん?」
ぼくが理由を尋ねれば、手鞠ちゃんの小さな肩はびくりと震えた。
まるで……これから別れを告げられるという雰囲気だ。
なぜ、そうなるのか…………。
理由がわからない。
いや、理由は……おそらく、アレだろうか……。
否が応にでも見える女子の……品定めをする目。
アレが手鞠ちゃんを追い込んでいるんだろう。
「手鞠ちゃん……あのね?」
口をひらけば、彼女の悲しそうな瞳がぼくの目に映る。
「どうしてそう思うのか、教えてくれないか?」
彼女の気持ちが知りたくて、言葉を待つ。