∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
そう言って、手鞠ちゃんはぼくから目を逸(そ)らした。
顔をうつむけ、胸の部分を隠すように両手で覆っている。
まさか。
ぼくが大切にしようと思っていた結果が、彼女を苦しめることになるとは思ってもみなかった。
「手鞠ちゃん」
ぼくはかまわず、かわいらしい胸のふくらみの上にある両手を右手で捕らえる。
「!!」
息を飲む手鞠ちゃんの音が聞こえるけれど、それは無視。
あいた左手で手鞠ちゃんの右胸にそっと触れた。
少し力を入れて握ってみる。
「!!
あ、あの!!」
その瞬間、手鞠ちゃんの視線とぼくの視線がぶつかり合った。
かわいらしい大きな瞳が星のように瞬いている。
泣きそうな……それでいて何かを期待するような目だ。
もう、たまらない。
ここまで保護欲をそそられると、どうしたらいいのかわからなくなる。
完敗だ。
「ん?
かわいいよ……手鞠ちゃんの胸。
ぼくの手によくなじむ」
「!!!!!!」