∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】

もう、限界。


「手鞠ちゃん。

保健室に行こうか……」



ぼくの言動にいちいち反応してくるかわいい手鞠ちゃんの耳へと、こっそり囁いてみる。



すると…………。


手鞠ちゃんの目は見る見るうちに大きく見開かれ、顔は熟した林檎のように真っ赤になる。





……かわいいな…………。




きちんと『保健室』の意味を理解してくれている彼女がかわいい。



ぼくは椅子を引き、手鞠ちゃんの足に自分の腕を入れる。


「へ?

うわひゃっ」


そのまま立ち上がった瞬間、手鞠ちゃんの裏返る声が聞こえた。



< 15 / 54 >

この作品をシェア

pagetop