∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
「ん…………んっ」
唇を離さず、彼女を横抱きにしたまま歩けば、かわいらしい声がぼくを攻め立てる。
まったく、手鞠ちゃんはとんだ小悪魔さんだ。
彼女のかわいらしい手はぼくの襟元を皺になるくらい強く握っている。
それだけ、ぼくを意識してくれていると思うと、その姿でさえも興奮してしまう。
「ん……はぅ………」
繋がった唇を離したのは保健室の扉の前。
手鞠ちゃんは、五階にあるぼくの教室から一階までの距離をキスされたまま移動していたから、ぐったりとしている。
おかげで保健室に来る口実が見つかった。