∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
「そうかい?
あとは頼んだよ?」
「はい」
あたしの意識下で言葉をかわすのは保健の先生と麻生先輩の声。
「…………………」
あたしは只今、保健室のふかふかベッドの上で人知れず発火中デス。
パタン。
カチャリ。
ドアが閉まる音と一緒に鍵がかかる音が聞こえた。
どうやら、保健の先生は今からお昼会議みたいだ。
保健室から出て行ったらしい。
ギシ…………。
あたしが寝転んでいるベッドが軋(きし)む。
それと同時に、あたしの上に大きな陰もあった。
麻生先輩だ。
彼はにっこり微笑んで、あたしを見下ろしている。
こんな時でも思うのは、麻生先輩がカッコいいっていうことだけ……。
「さて、姫?
あなたのご要望をかなえましょうか……」
びくん。
耳元でささやかれて、あたしの身体が震えた。
「あ……あの…………」
「姫が言ったんだよ?
抱いてほしいって。
胸に触れてほしいって」
言ってない、言ってない言ってない!!
そんなことは言ってない!!
口をあけたら変な声が出ちゃうから、ブンブン頭を振って麻生先輩に抗議したら…………。