∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
あたしの背中に強い腕がまわる。
ベッドから起き上がらせてくれた。
「手鞠ちゃん、今度からきちんとご飯食べてからおいでね」
きっと、呆れられていると……。
子供だと思われているだろう。
でも、そんなことを感じさせない麻生先輩。
泣いたらわずらわしいって思われるから、涙を流すまいと必死におしとどめてコクリとうなずいた。
「ご飯、食べに行こうか……」
にっこり笑って、優しく話しかけてくれる。
まるで、小さな子供に言い聞かせるように……。
……いたい。
いつだって、どんな時だって、先輩と対等でいたいのに、なれない自分に腹が立つ。
胸が痛い。
惨めになる自分がいる。
恥ずかしい。
「あたし……教室にご飯おいてるから……食べてきます」
にっこり……笑えてるかな…………。
きっと、ダメだね。
だって、麻生先輩、とっても心配そうにあたしを見つめてきてるから。
笑顔つくるの失敗したみたい。
「手鞠ちゃん?」