∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
玄関のドアが閉まったことを確認もせず、泣いている彼女を抱えたまま真っ直ぐ伸びる廊下を進む。
行き止まりにある自分の部屋へと移動した。
ガチャリ。
部屋の扉を開けて、目の前にあるベッドへと彼女を下ろした。
パフン……。
かわいらしい身体がぼくのベッドで跳ね上がる。
「せんぱ…………」
彼女のうろたえた瞳がぼくを映しだす。
――――ああ、頬は涙で濡れきっている。
ぼくと離れたくないくせに、そう言ってぼくを困らせる彼女は……。
なんて……なんて…………愛おしいんだろう。
泣かないでほしい。
君がぼくを想ってくれている以上の気持ちが、ぼくにはあるんだ。
「教えてあげる。
ぼくが、どれくらい君を想っているのかを……」
もう、腹が鳴ろうが、泣きわめこうが知らない。
そんなものは無視だ。
ぼくは仰向けになっている彼女を両腕で閉じ込めた。
「あ、そっ……んっ!!」
ふっくらとした桃色の唇を奪う。
上下の唇で彼女の口を開けさせ、舌をすべりこませる。
「…………ぁ」
彼女からの反応がすぐに返ってきた。
感じてくれていることが何より嬉しい。