∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
彼女の腰が浮いたことを確認すると、ぼくの腕を彼女の背中に入れる。
手を動かして、彼女のカッターシャツを背中からめくりあげる。
しっとりとしたなめらかな肌がぼくの手によくなじむ。
「んんんん……ぁ」
ぼくの手にも感じてくれているようだ。
ぼくの唇は彼女の唇から移動させ頬へと渡り、やがて首筋へと移る。
そして、彼女の頭を固定させていた手を鎖骨に向かわせる。
ボタンをはずし、手を中へとすべり入れる。
ふっくらとした女性のふくらみが見えた。
「せんぱ…………ぃ?」
泣き声が入り混じった鼻にかかった彼女の声は、ぼくの耳を刺激する。
「うん?」
「好きなの…………別れたいなんて……うそなの…………」
知ってる。
そんなことは知ってる。
君のことだ、おそらくはぼくの幸せを思って、別れを告げたのだろう。
「好きなの。
先輩しか、いないの…………ふぇぇ…………」
手鞠ちゃんは両目を隠して涙を流している。
「ぼくは、君を愛しているよ」
ゆっくり……丁寧に、彼女の閉ざされた心に刻み込めるよう、ぼくは告げた。