これが恋だとするならば・・・
「悪いな。職員会議が長引いて遅くなった。」


遅すぎですよ。先生。


普通なら1時間目も終わりってころに
先生はやってきた。



おかげで
コイツの相手するのに
疲れたよ・・・。



そんなアイツは


未だに山田君の席で


じいっと飽きることなく、


コッチを見ている。



先生がきたというのに
全く物怖じしなかった。



「・・・ん、どうした?

山田、席に着け。」


「・・・・いや、あのー・・・。」


先生がポツンと
そこに立っている山田君に促すと
山田君は困ったように指を刺す。


勿論、山田君が
指を刺したのは
私の隣。


哀れ、
山田君・・・。



そして、
アンタも・・・
ちょっとは
罪悪感をもとうよ。



「おい!?瀬名、
なんでココにいるんだ??」





先生は、

ゆうゆうと
飴をほおばる

コイツを見て、


ビックリ。



全くゴモットモな意見だと思った。



ところで、


「セナ・・・??」


って・・・・。


首をかしげると

コイツは


相変わらず

無気力な声で


答えた。



「瀬名って俺の苗字だよ・・・。」


初知り。



普通は、

出会って、
まず名前から、
教えるものだろうが、


そんなにマトモな出会いでない。



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