これが恋だとするならば・・・
「何が・・・??」




「・・・・・・忘れたならそのほうがいいや。」




穏やかマックス。


微笑みまではいかないけれど
先輩の目は少し笑ってるようにみえる。



そこで鈍い私はソレに気付く。




『忘れたならそのほうがいいや』って



もしかして、





あの時、




私が『血が怖い』っていったから??




血を見た私が泣いたから?








「よかった・・・。」


次は確実に、
まぎれもなく
微笑んだ先輩。




ここで確信した。



今さっき、


血のことを『赤い液体』といったのも、
『忘れたならそのほうがいいや』というのも



あの時、すぐに
保健室へと去ってしまったのも、
私のところに来なくなったのも、




それは
私に血をみせないためで、




『血が怖い』といった私に
あの現場を思い出させないためかもしれない。




「ねぇ先輩?」


「ん・・・何??」




「ありがとうございます。」




実はこの人、



分かりづらいけど





とても優しい人間だと



いうことに気付いた。




< 73 / 85 >

この作品をシェア

pagetop