これが恋だとするならば・・・
・・・笑った顔。

「先輩・・・」


なんで、
そんな顔をするの?


微笑み続ける先輩が
どんどん怖くなった。



嫌いな先輩の
笑った顔だけは
好きだった。


ただ、本当に
こんな笑顔だったかは
分からない。


一瞬見るから
その笑顔を
希少価値という。


ずっと笑って欲しいけど、



・・・無駄に笑ってほしくはない。



顔だけの笑顔なんて
どうかやめて欲しい。


心から笑って欲しい。



そんな風に
思ってしまう
自分もどうかしてる。


「何?」




(どうして笑ってくれないんですか?)


(私がみたいのはそんな顔じゃないですよ)





「・・・チュッパチャップスが欲しい・・。」




・・・嘘。
誤魔化してみた。


だって、
いえないでしょう?




先輩の心の底を
知りたい自分と


そんなにこの人に
観照はしたくない
自分がいる。




先輩に貰ったチュッパチャップス。




恋の味というには
あまりに説明のつかない味がした・・。







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